MLに流した秋会議のレビューを流します。
国内避難民(IDPs)で中国でした!
0. はじめに
このレビューでは秋会議前、秋会議、最後に、の3つで構成されており、基本的に個人の視点で書いた。秋会議の国益の部分のみは大使的な視点である。内容的に反感を買う記述もあると思いますが、個人としてのレビューであるため、1つの意見として読んでいただきたい。また、興味がある部分だけ読んでいただいても構わないが出来れば全部読んでいただけるとうれしい。
1. 秋会議に入る前に
とりあえず、自分の中で秋会議に入る前にいろいろ考えていたのでその中で2つをまとめる。
A) 秋会議とは
去年の国立研究会の秋会議に自分は参加していないのであまりイメージがなかったが、MLには参加していたので軽いイメージしかなかったが、去年の研究統括が1年生を凹ませたことをとても聞いていた。今年もそんな感じになるのかと思っていたが、自分的には久しぶりの会議なのでそれを関係なく楽しみたいとも思っていた。会議後の飲みもかなり楽しみだったが。
B) 1年生へ
今年のくにけんの1年生はかなりまじめな印象を受ける。これはお世辞でもなく、本当である。リサーチもしっかりしているし、いろいろなことを真剣に考えている。だけど、その代わりに、会議中に前に出ることが、少なく、2年生以上の後ろについてグループの中で活躍することが多かったように思える。また、交渉における押しの弱さがあると秋会議前には感じていた。知識は十二分にもっているにだから、それを生かすようにしてほしいと思っていながらの秋会議だった。また、今年も秋会議は1年生がまとまって頑張ってほしいと思っていた。
2. 秋会議
ここでは秋会議にまつわるいろいろなパートにおけることを振りかえっていこうと思うが、国割に関して今回も書くのはもちろんここで書いておきたいことがあるからである。
A) 国割り発表
今回の国割に関して意図的との指摘があったが、一応、ここでネタばらしをしておく(ディレクごめん)。今回の国割は決定前に自分がチェックしたし、各人の希望もシェアして見せてもらっていたが、かなり個人の希望とおりになっていた。人権蹂躙・破たん国家に2年生、人権擁護国に1年生の希望が多く、そのままの希望とおりで入ったのがほとんどであり、アメリカ・ロシア・フランスが空白だったので主にディレクが調整などを行い、決定した。よって、あまり意図的ではない。
また、今回、中国を希望した理由は前期会議のDPRKはあまり議論に参加できなかったからだが、人権蹂躙国の大使を行いたかったからであり、ミャンマーも希望していたのだが、中国ではアテンダンスを発揮できれば十分に交渉に参加できると考えたので良かったと思う。
B) リサーチ・政策立案
リサーチに関しては紹介した本を読んだ他にスピーチをいろいろ読ませてもらった。
今回はあまり、リサーチソースに困った感じはしない。
ポジぺには以下のようにボトムなどを設定していた。
【ボトム】
国連以外によって国内避難民を保護するような枠組みの作成を阻止すること
宣言・条約・議定書策定阻止
【達成目標】
国連による国内避難民保護は安保理によって行われるべきであり、UNCHRは難民保護を主体に行う組織であって、当事国の合意なしでの介入は決して許されるものではない。ということ。の強調。
介入に消極的(安保理の許可が必要)な国内避難民保護の指針策定
つまり、法的な文書を策定しなければオッケーと考えていた。まあ、かなり介入を容認する場合も反対するが最終的には飲むつもりだった(結局法的拘束力がなければあまり意味がないと考えていたため。)
C) いろいろな問い合わせ
会議前に5人ぐらいの1年生から様々な問い合わせがあったのだが、ここで、少し苦言を1つ。「どうしたらいいですか?」という質問はあまりしない方がいいかもしれない。「こういう情報があって、こう考えますけどどうですか?」や「○○に関するリサーチソースがないんですけど、なにかありませんか?」などの質問がいいと思う。
全員の質問が前者の形式の質問であったわけではないのだが、そのような質問があったため書いた。また、なぜ、そのような形式の質問はしない方がいいと思うか。というと、それでは考えることにはならないからである。ある程度自分の中で考えることが模擬国連では必要だし、リサーチの不足はそこで補うしかないのから、自分で「こうだ!」という考えをある程度持った上で特に政策については質問をしたほうがいいと思う。ファシリテーションやグループマネージメントに関しては難しいが、やはりうまいと思う人のものを見て学んだり、質問したりするといいと思う。これは模擬国連に限らないことだが。
D) 事前交渉
事前交渉だが、あまり自分から積極的にはいこうと考えていなかったが、カナダ大使のML上での意見表明に対するML上の討議のみは積極的に自分からメールを送った部分であり、他は基本的に来たメールに対する対応だった。カナダ大使のメールに変身した理由はあのまま放置するとカナダ大使の意見に何人かの大使が流される可能性があったからである。なので、ML上で反論することでカナダ大使のみに意見が偏ることを阻止したかった。また、中国は融和ではなく、かなり強硬にいくような最初に姿勢を見せておきたかった(交渉次第では融和になるが)からである。
また、パキスタン大使からグループ作成の交渉が来たことはびっくりした。基本的に自分は文言は作成予定(個人的にも作らないとつまらん!)だったが、DRを作成するつもりはなかった(むしろ仲間があまり増えないと考えていた)が、少しそのチャンスはあるのかもしれない。と思い始めていた。
E) 1st meet
ここで安保理の話をパキスタンなどにシェアした際に言い方によって遠ざけてしまったのはかなりのミスであった。しかし、ロシアとの協力体制を構築し、ある程度安保理の国々と交渉出来たのは良かった。ここでなにもしていない大使の多さに驚いた。何もしていないというより何も考えていない大使が半分弱いたような気がする。なにかをするために議場に来たわけではなく、ただ来ただけの大使のことをここでは指す。何をしていいのかわからないからスーダン大使などのところに集まったりするのである(個人として)。自分が議題採択に反対しなかったのならば何かしらの理由はすでに持っていないとおかしい(IDPsに関する会議は他の題名の議題で行われていたことを知らなかったら別だが)。この部分でも事前準備や会議中に考えていない大使が多かった。
F) 2nd meet
遅刻に関しては本当に申し訳なかった。が、1時間弱おくれで議場についた時点でかなり驚いた。ここでも、なにもしていない大使が多すぎるのである。あの議場になにかをしようとして集まった大使が何人いたのかがかなり疑問であった。この会合までの事前交渉でパキスタン大使と交渉を行い、1つのグループになれたことは大きかった。文言をDRの形で担保し、交渉に持って行ける保障がたったからである。
G) 3rd meet
この会合前の交渉でDRをほぼ完成し、提出の準備が整ったことは本当に良かったように思う。また、会合前に提出し、会合中の時間もいろいろなことをグループ内でシェアしながら話ができたのは良かった。また、議場ではかなりコンセンサスの流れができており、かなり強硬に言っても文言は飲んでもらえるのではないか。と考えていた。個人的には安保理の文言は全部削除され、国家に国民保護の主要な責任があるという趣旨の文言がのれば充分であると考えていた。また、交渉次第では自分のグループの独自でアメンドを出すことも考えており、そのための準備も行っていた。
H) 合宿
合宿では完全にグループではなく個人で行動をしていた。これはコンセンサスのためにWPを作成し、交渉を行う方式であったため、まず、自分の文言を全て処理してから、自分のグループの文言を処理し、アメンドの準備も固め、最後に相手方の文言をゆっくり叩いていこう。と考えていたからである。この手順で行けば、コンセンサスと言いだした相手方は折れるしかないと考えていた。
ここで、文言ごとの交渉において相手方の文言をほぼ交渉せずに中国の文言を最初にほぼ交渉を終えられたことはかなり大きかった。また、自分のグループの国々もかなり早く文言交渉を終わらせていたのが良かった。ここで、最後にフランスグループの文言の内容を大きく削りアメンドができる見込みができたので独自アメンドの必要性もなくなったため、その準備もやめた。その流れで相手方の文言の内容も大幅に削られていった。この内容の決議を採択できたことは国益には大きくかなっていたように思える。
I) 国益
上で「国益」という単語を出したのでここで触れるが、今回の会議で中国は消極的な国益と積極的な国益も達成したと考えている。
まず、消極的な国益についてだが、スーダン大使が述べていたように抽象的な文言が並んだ決議が今回の会議では採択された。これは中国にとっての消極的な国益であるし、これを狙っていた部分もある。日本人として中国を知っている自分は中での非人道的な迫害などの現状を知っている。民族移動・民族浄化(ジェノサイド法違反)もある意味行っているように思っていた。なので今回の会議には消極的に参加するべき国であり、あまり意見を出して人権擁護のような流れになることは国益に反する。意見は出していたのだが、人権擁護にならず、抽象的な内容になったこと、国民の保護の主要な責任は国家にあることが再確認できたことは消極的な国益になりえる。
積極的な国益とは安保理の文言がほぼ残ったことである。これは予想外であったが、安保理の役割を重視する趣旨の文言が入ったことは常任理事国の1つである中国にとっては積極的な国益である。
3. 最後に
ここでは、会議を終えて考えたいろいろなことについて述べる。
A) 会議全体を見て
今回の会議は個人的な模擬国連感からすると今年度最低の会議であったと思う。これは、なぜかというと会議に積極的に参加する人が少なすぎであったからである。物理的な人数ではなく、実質的な人数である。インフォーマルやモーションにかんして会長が述べていたようにあげる人が本当に特定だったし、モーションへの賛成・反対も一つの行動なのだから、1つ1つを考えるべきだと思う。スピーチも少なすぎである。公式に記録される場面で中国は3回(?)もスピーチを行い、人権を大切にしている国々やアフリカの国の中でスピーチをしない大使がいないことも憂慮すべきである。
本当に一部しか動いていなかった。なぜ、やらないのか理解できない。確かに秋会議は遊びの側面もあるが、会議に参加する以上最低限やるべきことがあるように思う。合宿前のコメント付けが数えられる人数しかコメントを付けていなかったことが一番それを表している。コメント付けをしなかった大使はあのWPが採択されることを望んでいたのだろうか。そうではないと思う。合宿での交渉も半分弱は見ているだけだったと思う。2年は強化での個人の動きを忘れてはいけないし、1年生も会議中になんかしらのactionをとるべきである。この会議において、コメント付けは参加した大使としては最低限の義務であった。
「たかがサークル」なので教養は出来ないが、模擬国連というサークルで活動する以上、やるべきことはあるように思った。後期もこのように実質的に参加する大使がいないのであれば、会議をやる意味は急激に下がる。
B) 1年生へ
今回は本当に悩んだと思うし、くじかれたかもしれないが、何か頭の中に残ったと思う。それをノートに書くなり、忘れないようにしてほしいと思う。それは後期会議やこれからに役に立つと思う。
交渉やグループマネージメント、政策立案からの会議における行動計画、臨機応変さ、自分で考える力、セルフマネージメントなどできることはいろいろあると思う。書いている自分も足りないことであるし。でも、真面目さは本当に自信を持っていいと思うし、しっかりとした問題意識を持っていることは上で書いたことを行っていく過程でなくさないで持っていてほしいと思う。
足りないのは少しの自信が一番だと思う。この少しの自信は会議などでつけるしかない。後期会議はその絶好な場所であるのだし、もう、4ヶ月後には自分たちだけで会議を行い(呼ばれたら行くけどw)、6ヶ月後には1年生が入ってきて今度はいろいろなことを教える立場になるのだし、がんばって欲しい(もちろん出来る限りの協力はします!)。
C) これから
くにけんでこのメンバーで会議をするのは後期会議が最後である。あっという間だが、まだ終わっていない。自分の中で少し会議に対するモチベーションは下がっているのだが、後期へのモチベーションは下がっていないのでがんばっていこうと思う。AJMUNへの参加を迷っているのはそれが原因かな、とにかく、後期が終わる11月最終週までは頑張ります!
D) 模擬国連とは
会長が個人レビューでゲーム・リアリズム・問題意識のような単語を使っていたので書きたくなったのだが、後期が終わった後にまとめて書きたいのでやめておく。なので、ここでは「模擬国連とは」に変えて、考えることについて書きたいと思う。この間飲みに行ったときに出た話のなかで考えること。(まあ、その時は疑うことだったのだが)について話になった。考えることをやめることは幸せか否かということである。いろいろなことを知り、考えることは体力を使うし、つかれる。いろいろなことを知ることを放棄し、なんとなく生きる方が幸せでないか。という話をしていたのだが、自分は絶対そうとは思わない。知り、考え、疑うことをやめた人間は死んでいるのと同じのように思う。だから、いろいろなことを考えるべきだし、疑うべきであると思う。だから、メディアを勉強しているのかもしれないが。
模擬国連でも議場でただ、返事をし、プラカードをあげ、スピーチをし、決議を書くだけではそれは意味がない営みだと思うし、それなら家で本を読んでいた方がましであると思う。「なんのためにその行動をとるのか。」ということを考えながら会議をすべきであると思う。それが考えながら会議をすることであると思う。行動とはファシリでもDR作成でも大使に交渉に行くでも同じだが、たとえば、今回の会議だったら中国大使の所へ話に来た時になにか目的があってきていただろうか?なんとなく動いていた大使はいなかったか?会議中に動きを臨機応変に変えることは大切だが、最初からノープランで行動することは避けた方がいいと思うし、考えていない大使であると思う。
4. 本当に最後に
関西大会のレビューでも書いたのだが、知らないことが楽であることを示唆し、それから抜け出す難しさを描いた自分が一番好きな映画に「トゥルーマンショウ、The Truman Show」という映画があります。ぜひ見てみてください。 TSUTAYAで100円レンタル中です!
その主人公のセリフに自分のお気に入りのセリフがあります。物語の途中にも出てくるし、最後のセリフでもあります。
“In case I don’t see you … good afternoon, good evening, and good night,” なんか響きが好きですw
後期は全員(自分も含めて)が「何か」を「考える」会議になることを楽しみにしています!
最後まで読んでくれてありがとう!
元中国大使・国立研究会研究統括
小檜山 歩
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