片道790円、48分の一人旅。～東京駅7時24分発の東海道線伊東行きの電車

小檜山歩

14年前

今日は大船に行く用事があったので東京駅から東海道線を使った。地下鉄東西線大手町駅から地下を通って東京駅へ。
回りにはスノボを抱えたお兄さん。東京ディズニーランドに行くであろう男２、女２のグループ(男の子がポップコーン入れを持ってる)。たくさんのキャリーバックを見張っている男の子と女の子。
それを横目にスーツ姿のこひやまは七番線へ。エスカレーターを上がると、なぜが特急列車っぽい電車。間違えたかな？と思うけど、多分、合ってる。
乗ると懐かしい特急列車のなんともいえない匂い。柔らかい匂いかな。なんかこの時間は東海道線として特急列車が運行されているみたい。
七号車に入る。右前には席を回していろいろ食べてるおばちゃん三人とスーツ姿のおじちゃん一人。おじちゃん頑張れ。

「２Ｄ」に座り外を見るとチラチラ雪が降ってる。ここで初めて雪が降ってることに気がついた。

着くまで寝ようかなと思ったけど、やんわりとした興奮で寝る気になれたい。ちょっと眠いんだけどね。
途中止まった駅で入ってきたお姉さんはなんかびっくりおどおどしながら車両に入ってきた。こひやまとおんなじ。
ふと、目の前のデッキを見るとちょっといかついメガネのおっちゃんが窓の外を見ながら立っている。立ってると落ち着くのか、車両の中の雰囲気になじまないのか。
確かに、車両の中はいつも使う東海道線とは違う空気。なんか旅行気分。
ふと横を見ると四人組中一人男性のスーツのおじちゃんがおばちゃんの会話にも入らず携帯をいじってる。と思ったら車両の中を哀愁を漂わせながら見回す。頑張れおじちゃん。
川崎駅のちょっと手前の河川敷にダンボールハウスがたくさん。
川崎駅で白髪の60歳ぐらいのおじちゃんが隣に座ってきた。よく、こんなに幅の広い男の隣に。まぁ、痩せている方だったので全然余裕なんだろうけど。普通の電車で他が空いているなら絶対隣に人は来ないからなぁ。まぁ、ボールペン片手に本を読んだり、ノートにいろいろ物凄い勢いで書いている人の隣は嫌だよね。
隣のおじさんは乗って直ぐに寝る態勢に。慣れてるのかな。昔に行ってた歯医者の匂いがする。
窓が曇ってきたので自分の名前を書いてみる。自分の名前を書くところが自己主張の表れかな。

到着20分前に眠気が強くなり目をつぶる。横浜に着く。
倖田來未が歌う「さよならの向こう側」を聞きながら寝れるかな。
と思ったけど、どうしても外観を撮りたかったので外に出て撮る。

「大船」の行き先表示の下の窓の左側の席にまた戻る。前に座っているラケットバックを持った中学生らしき子に不思議な顔で見られる。そりゃそうだ。
すると、自動ドアが開き20代後半らしき茶髪のふっくら目の女性が入り隣に。これも普通の電車だったらあり得ないだろうな。
ふと、外を見ようとすると窓には指で書いた「こひやまあゆむ」の文字。改めて見ると下手だし、書いた事を少し恥ずかしく思う。
隣の女性に見られると恥ずかしいと思い、愛用のコートの肘で消す。隣では爆睡の女性。気にしすぎだね。
寝てしまってる女性に大船で「すいません、通ります」と言うのが申し訳ないとまだなのに勝手に心配する。
iPodではケツメイシの「はじまりの合図」、「ココロユレル～」とか流れてると思いきや、次の曲はビリー・バンバンの「また君に恋してる」。坂本冬美がカバーして話題の曲。渋い。雪国に来た気分。
携帯の時刻表示は「8:03」。到着予定時刻まであと六分。これは寝れないね。
寝るために「8:08」にセットした携帯のバイブレーション機能が作動。完全に起きてた。もうすぐ大船。隣の女性は起きる気配なし。電車がホームに入ったら「すいません」と言おう。なんとか言わずにすり抜けられたらベスト。降りる気配を感じた人が道をあけてくれた。

携帯時間8時12分に大船駅に到着。目的地に向かう。片道790円、48分の一人旅。ちょっとの旅行気分。楽しかった。