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死神・千葉さんと死神に憑かれた6人のそれぞれのお話 伊坂幸太郎『死神の精度 (文春文庫)』

CDショップで時間も気にせず、試聴機でずっと音楽を聞いている人が居たら、それは死神かもしれないから気をつけて欲しい。彼らに素手で触れられると、気絶してしまい、寿命が1年縮んでしまうのだから。

この本は、死神・千葉さんと死神に憑かれた6人のそれぞれのお話。この本に出てくる死神は名前を書かれたら死んでまうノートを持っているわけでも、体をボロボロにしてしまうわけでも、首を切り落とすわけでもない。もちろん、鎌は持っていない。

会社に努めており、部署の縦割りに少し不満を持ち、まじめに死神の仕事をこなすのだ。天使は図書館にいるというが、この本に出てくる死神は音楽が好きらしく、CDショップにいるらしい。7日間かけて調査対象が死んでもいいのか、調査する。それがこの本の死神の役割。

そんな死神と調査対象になった6人の物語。オススメは死神の謎解きが入っている「吹雪と死神」と最後の「死神対老女」。最後の物語にはそれまでの5つの物語のネタが少し入っている。無理やりすべてのネタを入れているのではなく、ほどよく、いい塩梅で入っているのが心地よい。

名前は知っていたけど、読んだことのなかった作家・「伊坂幸太郎」。読みやすいし、何度読んでも飽きない、心地良い作品。他の作品も読んでみたくなった。☆4つ。

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小檜山 歩

コンサルタント日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。