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政治はくだらないかもしれないけど、面白いし、大切な物。そんなことを再確認した本・小沢一郎と管直人~『NHKスペシャル証言ドキュメント 永田町 権力の興亡~1993-2009』から Part5~

やめない管政権を小沢一郎氏と管直人氏のつながりについて、2人が一緒になったときの話。

P202「小沢が連携の相手と見たのが野党第一党の民主党。03年当時の代表は、管直人だった。
民主党と自民党の間には、管の前の鳩山由紀夫代表の時代から合流話が浮上したものの、民主党内に賛否両論があり、実を結ばなかった。」

2人の対称さ。

P203「自民党の中枢から飛び出してきた小沢と、市民運動出身の管。政治経歴も対照的な2人は、非自民の票を奪い合う競合関係にあった。互いに思惑を探りながら、しばしば共通の趣味である囲碁を打ち、関係をつないでいた。
(中略)
管:まあやはり、出自というか、一番違うところから、政治家として生まれてきた私と小沢さんが組もうっていうのは、一番最強じゃないでしょうか。もちろん、鳩山さんも含めてですね。それぞれ違うんですよ、いろんなパターンが。違うということは、逆にいうとある意味では、それがうまくちゃんと連携できれば、最も強くなりますよね。」

合併の際の丸呑みについて

P207「管は、丸呑みされることも辞さない小沢の執念に驚いた。
管:合併の時感じたのは、小沢さんの決断力というか、ある意味での割り切りの早さと徹底した割り切りですね。
普通、合併するというと、いろんな条件を出し合うわけです、お互いに。それに対して小沢さんは、一切の条件はなくていいと。つまり、党名も政策も人事も、それまでの民主党のままでいい、そして一緒になって選挙で政権をとろうという、ある意味その1点だったわけですね。ですから、やっぱりすごいなと思いましたね、はい。」
P208「9月24日に行われた合併の調印式では、こんな場面が見られた。合意書への署名を終えた小沢は、立ち上がって管と握手を交わすと、「ご一緒に」と声をかける管を壇上に残してスタコラと足早に会場を後にしてしまったのだ。1人で後を追う管の表情には、心なしか緊張感が漂っていた。」

丸呑みして合併した小沢の執念。しっかりと心のうちまで知らなかった事が今を起こしている。なぜ、管さんと小沢さんがこんなことになってしまったのか。ということも、9月24日の描写から透けてみえる。
この本は政治の深さと浅さを教えてくれる。くだらないかもしれない権力闘争によって政治は動いていることを分かりやすく伝える。そして、今の政権にどうつながっているのかも。
こひやまは政界再編論者である。党議拘束反対論者でもある。特に、参議院。参議院の役割低下を考えるときに、この点がないと役割は他にないと思うから。そんないろんなことを、改めてこの本を通して考えた。
意見が内部で大きく異なり、外部に近い意見があるという形は正常の政党政治として成立していないと思うから。そして、小沢さんという人間について、改めて考えた。というか、小沢さんだけが権力形政治を行なっている訳ではないことも確認した。小泉さんについても残ったのは空虚である側面であることも。
この本については最後。やっぱり、政治はくだらないかもしれないけど、面白いし、大切な物。そんなことを再確認した本だった。
1、 レビューと小沢一郎という政治家について
http://kohiayu.blog5.fc2.com/blog-entry-415.html
2、権力闘争も政治。でも、それだけじゃダメ
http://kohiayu.blog5.fc2.com/blog-entry-438.html
3、 加藤の乱
http://kohiayu.blog5.fc2.com/blog-entry-463.html
4、小泉劇場
http://kohiayu.blog5.fc2.com/blog-entry-471.html
5、 小沢一郎と管直人

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小檜山 歩

コンサルタント日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。