(ネットの献本サービスで頂いた一冊です)
【ポイント】
1、無意識に商品が選ばれるメカニズムと、無意識に思われる買われる商品を開発するために念頭に置いておくべきことが述べられている1冊
2,「判断脳」だけでなく、「習慣脳」も考える必要がある!
3,少し不親切に思える例の少なさと、わざと難しくしているように思える説明
スーパーのアイス売り場で、なんとなく手を伸ばしてしまうアイスの銘柄って決まってませんか?
ちなみに、自分はチョコミント系全般とモナ王です。モナ王とは、「大きめのアイスモナカで中に1枚の板チョコが入っていて、バニラアイスとその板チョコのハーモニーが…」なんて考えてモナ王を買うのではなく、ほぼ無意識に「モナ王」を選んでレジに持っていく。この行動はマーケティングで説明するのは難しかった。
商品開発を駆使していくらモナ王よりも大きくても、どれだけバニラアイスとの相性の良い板チョコを入れたとしても、モナ王を無意識に自分は買い続けるだろう。この従来のマーケティングでは説明するのが難しいとされていた、個人の意識と商品購入の関係について焦点を当てて説明しているのがこの1冊。
「判断脳」に焦点を当て、「判断脳」で考えるのではなく、モノを売るには「習慣脳」を念頭に置いて考えないといけないというのが要点であり、「習慣脳」に焦点を当てて売るとはどういうやり方なのかということが概念的な説明とアップルのiPodなどのいくつかの具体例を持ちだした説明を組み合わせて述べられている。
習慣脳を味方にするために「使い勝手」を重視し、「利用者が気軽に使い方を尋ねられる環境を考える」必要があると語られているのは説得力を持っている。また、信頼のために大切なこと、信用を失いかねない時のブランドとしての立ち振る舞い、諦めざるを得ないブランドからの離脱者は何%なのかなどは戦略を考える際には参考にして良いトピックスである。
ただ、具体例に少し乏しいこと、本の厚さの割に難しい語り口で語られていることから、努力して読み込むことや、冒頭のように何かの例を自分で考えて読み解く必要があることは否めない。その点で、少し不親切であるように思えてしまったということで、☆3つ。でも、一読の価値はある。
自分なりタイトルは『もし、「習慣脳」を刺激して、商売が出来たなら』。
思うことがあったり、良いと思ったり、反論があったり、おかしいと思うことがあったり、質問があったり、言いたいことがあったり、同意があったりしたら反応をして頂けると幸いです。なるべくというより出来る限り私も反応します。
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小檜山 歩
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