(ネットの献本サービスで頂いた一冊です)
【ポイント】
1、「ジョブズ、怒るんじゃないか…?」と思ってしまった一冊。
2,自分なりタイトルは『スティーブ・ジョブズの哲学はこんな感じじゃないかと本気出して考えてみた』
3,つまらない内容ではないことは保証する。ただ…
「ジョブズ、怒るんじゃないか…?」と思ってしまった一冊。
自分なりタイトルは『スティーブ・ジョブズの哲学はこんな感じじゃないかと本気出して考えてみた』です、というか、内容的にこのようなタイトルにしないといけないんじゃないかと率直に思うのです。
29冊の日本語の本、5つの日本語の記事、10冊の英語の本(参考文献参照)を元に、“筆者が”ジョブズの哲学“らしき”ものをまとめた1冊。
酷評しているように聞こえるかもしれませんが、内容は悪くない。ただ、売り出し方に無理があるんじゃないか、と思うだけです。まあ、売るための手段なんだろうけど。やり過ぎは良くないよなぁ、と最初に思ってしまった。
内容としてはジョブズの人生から「リーダー術」、「突破術」、「交渉術」、「目標達成術」、「自己成長術」、「権力掌握術」の6つの「術」別にいくつかのテーマにそって、ジョブズの哲学らしきものを示していく。人材マネジメントや人生をどう捉えるのか、どんな仕事をやるべきなのか、ということは心に留めておこうと思えるような内容であるし、違法コピーの馬鹿らしさを語った以下のジョブズ自信の言葉には力があった。
P111~P112
「違法コピーソフトを使って曲を探すと、自分が欲しい1曲だけでなく、50も60もの曲が見つかる。あなたはその中からいちばん信頼性が他カオスなデータを拾い出さなければならない。ただ、あなたの選択は、間違っていることが多いのだが。……さらに、選んだ曲のダウンロードが始まったかと思うとすぐにダウンロードは止まってしまう。何度か挑戦するうちに、やっとダウンロードは終了するが、曲を聴いてみると最後の4秒が消えていたり、途中に雑音が入っていたり、音がとっても悪かったりする。」
聴衆たちも身に覚えのある話だった。
「そうやって試行錯誤を繰り返して、15分後、やっとまともな曲がダウンロード出来る。これは別の見方をすれば、あなたはたった4曲を手に入れるのに、1時間もかけている。アップルから買えばたった3ドル96セントで済む曲に1時間。あなたは最低賃金以下で働いていることがわかるだろう」
こうやって人を説得するのだと、改めて思った一節。
このように、ハッと思わせる箇所もあり、ジョブズの言葉を引用したりしていて、つまらない内容ではないことは保証する。ただ、最初に述べた理由、「ジョブズ、怒るんじゃないか…?」と思うことから、いい本とは自分は思えない。☆3つ。
ジョブズの哲学ではなく、ジョブズの哲学“らしきもの”であるから。
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小檜山 歩
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