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ブルデューの公準と卒論~西平 重喜著「世論をさがし求めて―陶片追放から選挙予測まで」を読んで Part5~

いろんな見方がこの本から出来る。それは、今まで書いてきたことも含めて。これに加えて、コレジュ・ド・フランスの社会学者ピエール・ブルデューが世論について、3つの公準(前提)を示しており、この公準を(すべての)調査は満たしていないから(ブルデューが定義する)世論は存在しない。としている。その3つの公準は以下の通り。

(P197を再構成)
第1の公準「世論調査では誰もが意見を持ちうる。すなわち全ての人に意見をもつ準備ができている」
第2の公準「すべての意見はどれも優劣がない同じ価値を持っている」と仮定している。
そして、実際の世論調査について「そんなことはない。同じ効力を持っているわけではない意見を、いくら積み重ねてみても、意味のないものをでっちあげているだけだ」としているようだ。

第3の暗黙の公準「誰に対しても同じ質問をするという単純な事実の中には、それらのテーマについての合意、言い換えればそれらの質問はされる価値があるという合意がある」

日本の内閣支持率についてを例にとって考えてみる。

「内閣についてみんなが意見を持っているのかは分からない。興味が全くない人もいる」<第1の公準>

「政治について、興味の程度は異なる。研究対象としたり、議論する人も居れば、なんとなく選挙に行って、なんとなく良さそうな人に投票する人も居る」<第2の公準>

「「支持するのか」という質問に価値があるのか。支持してようが、していまいが、その意志を行使する手段がない(選挙が遠ければ大半の人は何にも行動を起こさない)上、「支持する」のは菅直人に対してなのか、内閣全体に対してなのか、民主党に対してなのか合意されている訳ではない。」<第3の公準>

世論調査を卒業論文の題材にしようとしている中で、どうやって取り上げようか迷う。世論はない。と言う人も居るのに。悩みながら、このテーマを深めていこうと思う。

1. 世論調査とは?(筆者が考える)と世論調査と世論は・・?
http://kohiayu.blog5.fc2.com/blog-entry-386.html

2. 日本人はマスメディアを強く信頼する・日本人と世論調査
http://kohiayu.blog5.fc2.com/blog-entry-428.html

3. 予測報道の影響
http://kohiayu.blog5.fc2.com/blog-entry-480.html

4. 自前調査のメリット
http://kohiayu.blog5.fc2.com/blog-entry-498.html

5. ブルデューの公準

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小檜山 歩

コンサルタント日系総合コンサルティングファーム
渋谷のITベンチャー→日系人事コンサル。会社ではコンサルしながらCSRの活動もしてます。いろいろ無秩序につぶやきます。2017年5月から1年間タイでトレーニーとして働いてました。今は帰ってきて日本で働いてます。