イルカ漁で稼いでいるなら撮られても仕方ないだろう。　『ザ・コーヴ』

小檜山歩

13年前

少し前に話題になった映画。原因は、内容もだけど、放映中止騒ぎで。
漁師などの顔にはモザイクがかかっている。
ドキュメンタリーとしてはかなり違和感。
和歌山県の太地町でのイルカ追い込み漁を批判的に描くドキュメンタリー。
タイトルの「コーヴ」とは「入り江」の意味。
2009年度第82回アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞を受賞している。
映画館で見たかったけど、まあ、家でもいいかな。
太地町を「大きな秘密を隠す小さな町」と最初に言っている。
シーワールドのイルカショーのシーンとイルカ漁の対比から。
立入禁止になっている場所で行なわれているイルカ漁の撮影を目指す。
警察官と話している様子も。
イルカ漁反対運動の中心の人物。
そして、イルカの知性を描き出す。
そのイルカをどう捕らえているのかを克明に映し出す。結構、残虐。
マリンパークやイルカツアーのため、世界各国にイルカを売っている話。
イルカは１頭１５万ドルらしい。
イルカショーのために行なわれるイルカの大量殺戮。
選ばれなかったイルカは秘密の入り江で処理される。食用として。
太地町の水族館では、
イルカショーを見ながらイルカやクジラの肉を食べる事ができる。
日本の鯨外交の代表者の姿も見ることが出来る。
IWCの商業捕鯨の禁止、そして、日本の調査捕鯨について。
なんで、イルカ漁を写真を撮ったらダメなんだろう。
行なわれていることなのに。それで、稼いでいるなら撮られても仕方ないだろう。
やましいと思うならイルカ漁をやめればいいのに。
事実として、和歌山県の太地町ではイルカ漁が行なわれている。
入り江での撮影を行うために、チームを作った。
隠し撮りのために。ヘリや高性能のカメラなどなど。
イルカの美しさとそれを殺すことの対比が全てを表している。
岩に似せたカメラを持ち込み、使おうとする。
撮影しようとしている方は、後を車でツケられる
２万３千頭のイルカが殺されている事実。
水銀が含まれているという話から、
水俣病の話を引用する。
不法侵入の映像はかなり、迫力がある。
日本の主張にナンセンスと言う、ブラジル大使。
日本における、魚の乱獲について。
太地町を守ろうとする日本大使。
そして、ドミニカ、アンティグア・バーブーダ、セントルシア
セントキッツ・ネービスなどを巻き込む日本。これが外交なのかな。
文化ということで押し切ろうとしていることへの批判。
完全な隠し撮り。真っ赤になっていく海。
イルカを突く漁師。物凄い真っ赤。血の入り江。凄い映像。
真っ赤な海で泳ぐイルカ漁の漁師。
動画を見た時の官僚の反応。
結構、太地町の抗議に応えるような注釈を入れている。
ドキュメンタリーなんて、一面的なものなんだから、それを入れる必要はない。
見る側の問題だと思うんだけど。
でも、イルカを殺して大量の血が出て、入り江が真っ赤になるのは事実。
それを写した映像の力に☆５つ。

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