昨日、夕食時の母との会話で出てきた話。私を含めた3兄弟の母校であり、家から徒歩5分である中学校がひどい。という話。母、曰く「校舎内を警官が巡回」しているらしい。
学校教育の場に治安維持のための公権力を入れたことに、今の母校の先生の力のなさと、生徒に向き合ってなさを感じるけど、生徒はそんな警官に刃向かうことはしないだろうと思う。荒れている種類が違うから。
自分達の頃はガラスを割ったり、消火器を噴射したり、非常ベルを鳴らしたりしていた。ちなみに、自分がやったのは最初のものだけ。
いろんな場面で中学生と触れ合うことが多い自分が思う、今の中学生の特徴は「無関心、無感情、無好奇心、無向上心」である。将来はどうでもいい。だから、全て、勉強、遊び、学校行事ですらもテキトーにやって済ましている中学生が多く居るように感じる。
前置きが長くなったけど、その原因と一つの結末を写し出しているように思えるのがこの本。「全てが洗練」され、「セキュリティーコントロール」されているゲートハウスで大人が全て殺され、子どもたちの全員がいなくなった。期待(?)通り、大人たちを殺したのは子どもたちなのだが、その動機の描き方がとても緻密で、そこに☆4つ。
詳しくは書けないけどし、ロンドンで起こったとしている海外の小説なのに、物凄く日本にも当てはまるんじゃないかな。と思う。1988に起こった設定の子どもたちの反乱。32人の大人を13人の子どもたちが殺した。管理された無菌社会への疑問提起として、「やさしさという独裁」に対して反抗した。
その中で揺れ動く子どもの気持ちも1つの事後のイベントを通して描かれている。そして、「親」に反抗し続けることを描いているのだが、現実はもっと深刻なんじゃないか。と思ってしまった。
こうやって反抗できればまだ良いのかもしれない。でも、それすら出来ないことで生まれたのが「無関心、無感情、無好奇心、無向上心」な中学生なんじゃないか。と思う。そんな中学生が大量に大人になったらどうなってしまうのかが心配。
親が子どものために行う、実は親自身のためだったりする「やさしさという独裁」や「感覚遮断」というものが引き起こす危険性を「分りやすく」描いたもの。分りやすさは微妙な所だけど、それもいいかな。
小檜山 歩
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